物件を借りる際には、立地や広さ、賃料などの条件も大切ですが、もう一つ見落とせないのが「オーナー(貸主)との交渉」です。
いくら希望通りの物件が見つかっても、オーナーとの交渉がうまくいかず契約に至らないケースは少なくありません。特に店舗や事務所などのテナント物件の場合、賃貸期間も長く、オーナーとはある意味「ビジネスパートナー」のような関係になることもあります。
今回は、オーナーとの交渉において、円滑に話を進めるために気をつけたいマナーについて解説します。
■最初の印象がすべてを左右する
オーナーが最も気にするのは、「この借主は信頼できるかどうか」です。長期間にわたり物件を貸す相手を見極めるのは当然のこと。だからこそ、第一印象は非常に重要です。
以下のような基本的なマナーを意識しましょう。
・丁寧な言葉遣いで話す
・清潔感のある服装で訪問する
・時間を守る
・相手の話をよく聞く
これらはビジネスの基本ではありますが、実際にできていない人も多いため、意識するだけで大きな差が生まれます。
■要望は「お願いベース」で伝える
物件の賃料や契約条件について、要望や希望がある場合も多いでしょう。たとえば、
「賃料をもう少し下げてほしい」
「内装工事を一部オーナー負担にしてほしい」
「契約開始時期を遅らせたい」
などです。こうした要望を伝える際には、「当たり前の権利」として主張するのではなく、「お願い」として伝えるのがマナーです。
<例>
×「この賃料は高すぎます。もっと下げてください。」
○「検討中の他の物件と比較するとやや割高に感じておりまして、もしご相談できる余地があればと思い…」
このように、丁寧かつ冷静に伝えることで、相手も前向きに話を聞いてくれる可能性が高まります。
■交渉内容は一度でまとめる
要望を伝える際は、なるべく一度にまとめて提示することをおすすめします。というのも、交渉のたびに追加の要望が出てくると、オーナー側は「終わりが見えない」「この人とは契約が大変そうだ」と感じてしまいます。
要望が複数ある場合は、事前にメモなどに整理しておき、「○点ほどご相談があります」とまとめて伝えると好印象です。
■感謝を忘れずに
交渉の場面では、自分の希望を通すことばかりに気を取られがちですが、相手の譲歩や対応に対して感謝の気持ちを伝えることが大切です。
また、仮に交渉がうまくいかなかったとしても、「ご検討いただき、ありがとうございました」と最後に一言添えるだけで、次に繋がる可能性が残ります。物件は縁もの。今日ダメでも、明日また別の形でご縁がつながることもあります。
■仲介会社を信頼し、任せる姿勢も大事
実際の交渉は、オーナーと直接やりとりするのではなく、間に入る仲介会社を通じて行うのが一般的です。そのため、仲介会社に自分の希望や背景、予算などを正直に伝えておくことが重要です。
仲介会社は借主とオーナーの「橋渡し役」です。双方にとってメリットがあるよう調整してくれる存在ですので、「直接言いにくいこと」も仲介会社をうまく活用して伝えることで、交渉がスムーズに進むことがあります。
■まとめ
テナント探しにおいて、理想の物件に出会えたらそれは幸運なことです。ただし、良い契約につなげるには「オーナーとの信頼関係」が欠かせません。
礼儀正しい対応や、相手の立場を尊重する姿勢は、結果的に交渉の成功率を高める近道です。物件選びと同じくらい、「人との関係づくり」も大切にして、気持ちよくスタートを切りましょう。


