新しくお店を出したり、オフィスを借りたりする際には、物件を借りる「賃貸契約」を結ぶ必要があります。その中でも重要な項目のひとつが「契約期間」と「中途解約」に関する取り決めです。
契約前は物件選びや立地ばかりに目が行きがちですが、契約期間や解約条件をよく理解していないと、いざというときに大きなトラブルや予期しない費用が発生してしまうことも。
このコラムでは、物件を借りる前に必ず押さえておきたい「契約期間」と「中途解約のリスク」について、わかりやすく解説します。
■賃貸契約期間とは?
賃貸契約期間とは、「この物件を〇年間借ります」と決める期間のことです。一般的には 2年契約が多く見られますが、事業用物件では3年や5年契約といった長めの設定になることもあります。
この契約期間は、貸す側(貸主)と借りる側(借主)が、期間中は基本的に契約を続けることを前提としています。
■中途解約とは?
「中途解約」とは、契約期間が終わる前に借主側の都合で解約・退去することを指します。
たとえば、3年契約のオフィスを借りていて、事業の方向転換や移転などにより1年半で退去したいと考える場合、それが中途解約です。
中途解約自体は禁止されているわけではありませんが、契約書にどのような条件で解約できるかが明記されています。それを知らずに退去を進めると、予想外の「費用負担」や「トラブル」になる可能性があります。
■中途解約の主なリスク
①違約金や残期間分の賃料の支払い
契約内容によっては、契約期間満了前に解約すると「違約金」が発生することがあります。また、場合によっては残りの契約期間分の賃料をまとめて支払わなければならないケースも。
たとえば、あと1年残っている状態で解約する場合、「残り12ヶ月分の賃料を払ってください」という取り決めがある物件も存在します。
②解約予告期間を守らないと追加負担に
一般的な契約では、「退去する○ヶ月前までに通知すること」というルール(解約予告期間)が設けられています。これを守らずに急に退去しようとすると、1ヶ月〜数ヶ月分の賃料を余分に請求されることがあります。
③原状回復工事の費用が高額になることも
退去時には「原状回復」といって、借りたときの状態に戻す工事が必要です。特に、内装にこだわった店舗などでは、解体費用が高くつき、思わぬ出費につながる場合もあります。
■契約前に確認しておくべきポイント
トラブルを避けるためには、契約前の確認が何より大切です。以下の点は、特にしっかりチェックしておきましょう。
①契約期間は何年か?
→長すぎると解約時のリスクが高まるため、自社の事業計画と合っているか確認を。
②中途解約は可能か?
→「解約できるのは○年経過後から」といった制限があることも。
③解約予告は何ヶ月前?
→退去のタイミングに大きく関わるため、スケジュールに要注意。
④違約金や残期間の賃料はどうなる?
→万が一のときに、どれくらいの費用が発生するかを把握しておく。
⑤原状回復の範囲は?
→「スケルトン返し(内装をすべて撤去)」が求められる場合も。
■まとめ
物件選びにおいて「立地」や「賃料」ももちろん大切ですが、契約内容、とくに「契約期間」や「中途解約の条件」は、それ以上に重要な要素です。
「やっぱりやめたい」と思ったときに、多額の費用が発生してしまえば、せっかくの事業も思うように進められません。逆に、あらかじめ条件をきちんと把握しておけば、安心して経営に集中できます。


